Fly Fishing 2017/07/13 Mr. CHOJI HOSOYAMA, May his soul R.I.P 昨日、ふとシマノのフライロッドのスペックなどを確認しようと、久しぶりのウエブサイトを訪れた際に、本流釣りのカリスマ、細山長司さんが今月5日にお亡くなりになっていたことを知りました。 いや~驚きましたし、ショックですね… 私が細山さんのことを知ったのは4年ほど前のことで、恥ずかしながら結構最近です。 以前ワーキングホリデーでNZに来ていた釣友S君と北島Rotoruaに釣行したときに、彼に細山さんのカナダ、スチールヘッド釣行の動画を紹介してもらったのが初めで、のべ竿でスチールヘッドを釣るそのフィッシングスタイルに強い感銘を受け、以来一人の釣り人としてかなり尊敬しています。 釣りの動画とかは結構チョコチョコ観るんですが、繰り返し何度も観るような動画はそれほどありません。しかしながら、この細山さんの動画はお気に入りなので何度も観ています。 8mを超える長尺のべ竿に、たぶんラインも道糸からハリスまでが通しの1本糸とハリ1本。あとは目印とガン玉が途中についているだけなんです。 この究極的にシンプルなリグで、スチールヘッドやキングサーモンを仕留めてしまうそのフィッシングスタイルは本当に素晴らしいです。シンプルは美しいということを教えられますね。 けっして大きくないその体で静かに川に立ちこみ、長尺竿を見事に操って侍のようにアタリを待つ姿。そしてリールのないこののべ竿でいったん魚が掛かれば、グッと腰を落として竿を立て、バットエンドを水に突き刺したり、バンクに突き立てたりして、もう限界までめいっぱい溜めて魚を止めるその豪快なファイト。その静から動へのコントラストがすごくて、ついつい魅了されてしまいます。 のべ竿の釣りがこんなに豪快でカッコいい釣りだったなんて。。まさに驚愕です! 思い起こせば、自分自身の釣り人生も、やはり今は亡き父が買い与えてくれた1本ののべ竿から始まりました。 よく覚えていませんが小学4年生くらいのことだったか。。 シマノの振り出しの渓流竿、急流9尺(2.7m)というグラスロッドでしたね。 多摩川でこの竿に尺オーバーの鯉が掛かったことから始まり、この竿で当時の多摩川で釣れたほとんどの魚種を釣って、何処へ行くにもこれを持ってハヤ、ニジマス、ハゼなど何でも釣って、本当にボロボロになるまで使い倒しました。 小学校高学年になると、当時あったダイワヤングフィッシングクラブ(DYFC)というのに入会して毎月送られたくる会員誌を心待ちにしていたり、釣りキチ三平はもちろんすべて読んで、他にも少年釣りマガジンという雑誌があって、それを読んでは今度はこの川に行ってみようとかそんなことで頭がいっぱいだった釣りキチ少年でした。 小学6年生の時には、お正月の豊島園プールで開催されたDYFC新春釣り大会に参加し、53㎝のニジマスをこの愛用ののべ竿で釣り上げて3位入賞でお立ち台となり、最も尊敬するフィッシャーマンである故西山徹さんから直接大きなトロフィーを渡していただいたこともあります(今でも実家の押し入れにあると思われます)。この日は本当に信じられないくらい嬉しかったですね~。 西山徹さんの著書、湖沼のルアーフィッシングは自分のゲームフィッシングのバイブルです。 脱線してしまったので、話を細山さんに戻します。 自分のバックボーンもこんな感じなので、自分にとっても釣りの原点である渓流竿を使ったのべ竿の釣りを最強にまで、そして究極のレベルまで極めたような細山さんの釣りを見るたびに、「釣り竿っていうのはこうやって使うんだぞ!」と教えられているような気持ちになるんです。 リールの代わりに長尺竿のショックアブソーバーを最大限に利用するファイトもすごいですが、凛として竿を構えてアタリに集中するそのたたずまいは何か武術者の居合いのようでもあり、カッコよ杉。。 まさに「川のサムライ」ですね。 動画を観てもらえばわかりますが、カナダやアラスカのガイドたちも師のその美しい釣りに魅せられて、みんな細山ファンになってしまっています。まあ外国人は武士道とかサムライとかそういう自分達とはかけ離れた世界観に憧れたり、好きな人も多いですからね。 あとダブルハンダーのフライをやる者にとっても、細山さんの振り込みのモーション、竿の取り回しはスぺイフィッシングにも通じる点がいくつもあって興味深いですし、勉強になります。 間違いなく日本が世界に誇れるアングラーの一人だと思います。 先に触れた西山徹さんといい、細山長司さんといい、私の尊敬する釣り人は若くしてお亡くなりになってしまい非常に残念です。 このブログの読者はフライかバスの方が多いと思いますが、細山さんの釣りはジャンルを問わず、釣りをする人であればどんなジャンルの方にも一見の価値のあるものだと思いますので、是非ご覧になってみてください。 http://ownertv.jp/detail/?id=143 http://ownertv.jp/detail/?id=144 今回、私自身の細山さんへの敬意をを表したいという思いと、まだ細山さんの釣りを知らない方にも是非その素晴らしい釣りを知ってもらいたいという思いでこの記事を書かせていただきました。 細山長司さん、安らかなご冥福を心よりお祈りいたします。 そして素晴らしい釣りを見せていただき、ありがとうございました。 Tight Lines! PR